子育てと(翻訳者として)働くことについて

子育てをしていると、どうしても時間が足りないと考えることが多い。保育園の預け時間内のみが仕事に避ける時間で、残業はできない。子の体調が悪いと、本来使えたはずの「保育園で預けている時間」もなくなってしまう。

時間がないと、仕事や仕事のための勉強に充てる時間がないし、お金も入らないし、ライバルに差を広げられるんじゃないか、と不安になる。「フリーランスはがつがつ行ってなんぼ」よく言われるし、そのとおりだろう。だから、がつがつ行けない自分を見て勝手に焦るのだ。

ところが先日、こうしたモヤモヤを吐露したとき、ある翻訳者さんにこう言われた。「私は子育てしたことがないから育児がどういうものかはわからないけど、子どもと接するということは、子どもの言葉づかいや新しい時代の言葉に触れるということ。それがリアルタイムでわかるのはうらやましい。子どもたちが理解できない言葉で書いた本は、何十年後かには『おばあさんが書いたもの』と認識されて読んでもらえなくなるかもしれない」

そうだよな。子どもがいるからこそ、触れる言葉もあるし、発達に応じて変化していく語彙や文法があるということも、子育てをしているからこそわかること。これは大きなアドバンテージかもしれない。今は気づいていないだけで、子育てしながら得られるアドバンテージはもっといっぱいあるのかもしれない。

ないもの、できないことに目を向けるのではなく、母だからこそ得られている体験や感情に向き合うと、もっと気持ちが軽くなるかもしれない。


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