4月30日(水)
駅でICカードをチャージしていたら、困り顔の外国人の方が寄ってきた。手にはICカードと5千円札と千円札。チャージの手順を教えてあげたけど、本当にチャージがしたかったのかな。残額がまだあったのが見えたから。
4月29日(火祝)
連休の旅支度でショッピングモールへ。子どもがいると本当に必要なものだけあたりをつけて買うことになり、あてもなくウィンドウショッピングするのが難しくなった。物欲も減った。午前中で用を済ませそそくさと帰宅。
4月28日(月)
日本翻訳大賞が発表された。今年は2作。どちらも読まないと。先人たちがいて、その仕事ぶりを評価する専門家や読者がいる世界のありがたさ。目指すべき目標があり、すぐに作品にアクセスできるのは幸運なこと。
4月27日(日)
休日になると翻訳から離れるので、翻訳脳、言葉脳が鈍る気がする。とはいえがっつり翻訳作業するわけにもいかず、悪あがき程度に寝る前に本を読む。同業者はアスリートなみにメンテナンス、自己研鑽しているのかなあ。
4月26日(土)
母が遊びに来てくれている。テンションが上がって早朝に起きた娘と肩を並べて、ああでもないこうでもないとジグソーパズルをやっているふたり。「やっぱりこっちやったやん!」と、3歳児に本気でくってかかっている。
4月25日(金)
安達茉莉子『らせんの日々』を読んでいる。京都の福祉施設の職員インタビューから、そこに通底するケアの理念を紐解く。福祉って、子育てに通じるところが多い(そもそも保育が福祉であるのだが)。付箋を貼る。
4月24日(木)
25分作業、5分休憩のポモドーロ法専用のタイマーを買った。Youtubeのポモドーロ動画は広告が入るし、携帯のタイマーだと集中が途切れるしでイマイチだったのだ。専用タイマーは物理的なボタンを押すだけ。なかなかいい。
4月23日(水)
ある人から、今私が置かれている状況はラッキーなのだと言われ、はっとする。自分にも家族にも大きな病気や怪我がなく、仕事に打ち込む時間がある。これを生かさなければ。できないことばかりを気にする自分を戒める。
4月22日(火)
私は一度「文章はきれいなのに話すとだめだね」と言われたことがあり、そこからみるみる話し下手になった。話し言葉でまっすぐ思いを伝え、さらにはオチまでつける人たちは超人である。自分は勝てないフィールドだ。
4月21日(月)
ゆるコンピュータ科学ラジオで『デジタルの皇帝たち』を紹介いただいた。おふたりの話芸がすばらしく、こりゃ読みたくなるよ。バリューブックスもAmazonも在庫切れになったみたい。インフルエンサーってすごい。
4月20日(日)
「本の地産地消」は、今のデジタルプラットフォーム経済や大型流通へのアンチテーゼである。と言いつつも、宣伝はXやnoteに頼らないとできないわけで、結局プラットフォームからの脱却は今の時代不可能だよな。
4月19日(土)
妙蓮寺の「本や街」はすごい活況で、暑さもあり少ししか回れなかったけど、本好きが集まってワイワイ賑わっているのを見ているだけで楽しかった。妙蓮寺の街の風景もとてもいい。エッセイや本作りについての本を購入。
4月18日(金)
瀾書店さんへZINEを納品に。ついに商品となって書店さんにお渡しできて感無量。「本の地産地消」の実現だ。瀾書店さんでは同業者の方ともお知り合いになれて、ここでも本を介したつながりがゆるやかにできていく。
4月17日(木)
自分のエッセイでは一行、一言、一文字に最後の最後まで悩み、こだわり、書き直した。翻訳する原書だってそのはずで、著者が最後まで悩んで生み出した言葉である。その生みの責任を訳者は引き継がなければならない。
4月16日(水)
私には今二人、支持している先生がいる。この歳になっても「先生」と呼べる人がいるのってありがたいことだなと思う。目標となる遠い存在でもあり、そばで応援してくれる伴走者でもある(と勝手に思っている)。
4月15日(火)
神保町での授業の前に、ブックカフェでガパオライスとコーヒーのランチ。ガパオライスにのった数枚のミントが絶妙で、一瞬口の仲が東南アジアのようになる。エジプトで飲んだ甘ーいミントティー、また飲みたいなあ。
4月14日(月)
ZINEをお世話になっている編集者さんに発送していく。小さなZINEだけど、手元を離れていくのはさみしくもあり、照れくささもあり。一本シノプシスも完成させて、一社に送付できた。別の企画案も形にしたい。
4月13日(日)
魔法の文学館(通称角野栄子ミュージアム)に行ってきた。子どもも大人も、本好きなら一日楽しめる場所だった。角野さんが若くしてブラジルに移住していたと知って驚く。異国のドキドキ感が物語と繋がっているんだな。
4月12日(土)
天気が良いので外遊び。ブランコに飽きたから次の遊具に行ったはずなのに、ほかの子がブランコに乗り出すと怒り出す娘。ブランコが空くと我先にとそれに乗るものだから、パパさんが申し訳なさそうにこちらに会釈した。
4月11日(金)
髪を切りたいのだけど、まだ早いかな、と思って一週間ぐらい経つ。ケチくさくギリギリまで、もう限界というところまで待ちたいのだ。しっくりこない伸びた髪を見て気分が乗らないのなら、さっさと切りに行けばいいのに。
4月10日(木)
日本翻訳大賞中間報告会を視聴。翻訳の勉強法として岸本佐知子さんが「小川洋子や村上春樹の英訳を日本語訳して原文と見比べる」と仰っていた。高橋茅香子先生も小川洋子は美文と仰っていた。小川洋子、研究しよう。
4月9日(水)
遅めのランチで入ったタイ料理屋。忙しそうにしている店員さんに声をかけて注文したあとに、手元に「こちらからご注文ください」とQRコードのついた札があることに気づく。店員さんの仕事を増やして申し訳なかった。
4月8日(火)
ZINE完成!出来立てを生活綴方の中岡さんや瀾書店にお見せして、嬉しいお言葉をいただく。『デジタルの皇帝たち』が積読チャンネルで紹介され、Xで呟いたら堀本さんからリプをいただいた。嬉しいことは重なる。
4月7日(月)
ついにZINEを印刷する日がやってきた。直前にタイトルを変え、微修正をしてと、最後まで落ち着かない。緊張しながら生活綴方の中岡さんに手ほどきを受けて印刷。半分くらい製本できた。残りは翌日に持ち越し。
4月6日(日)
天気が怪しかったので室内遊び場へ。けん玉やコマなど、懐かしいおもちゃがあった。どちらも子どものころは得意だったのに、すっかりできなくなっていた。「お母さんできるよ」と言った5秒前の自分が恥ずかしい。
4月5日(土)
車で少し行ったところの公園へお花見に行く。隣のシートのおじさんが「やっちゃったよ」と言ってシートにできたビールの水溜りにタオルを押しつける。それを見た私は、コーヒーを娘から遠ざけてシートの隅に置き直す。
4月4日(金)
電子ペーパーが届いた。原稿の赤入れ用に買ったのだけど、ノートとして使うのが地味にいい。A4用紙に書くのと同じ感覚だけど、いいのは無限にページが継ぎ足せること。思考と手を直結させてアイデアを書きとめていく。
4月3日(木)
25分作業、5分休憩、というポモドーロ法が、集中力途切れず作業ができて私にはちょうどいい。この5分の休憩で仕事以外の本を読んでいる。たかが5分、されど5分。目の端にちらつく積読からの圧力を少し和らげるのだ。
4月2日(水)
持ち込み用の原書を通読した。あとはまとめるのみ。本屋で関連分野の棚を覗いてもこの原書とぴったり重なる本はなさそう。大穴となるか、単にニーズがないだけなのか。いい本だと思うので、魅力をしっかりと伝えたい。
4月1日(火)
このほぼ100字日記が3か月続いた。今まで日記など続いたためしがなかったのに快挙である。ずっと翻訳ばかりで変化のない日でも、頭の隅でぽっと光った光を書き留めるようになった。光を手繰る感覚ができつつある。